アムステルダムのヨルダン地区には、Noordermarktという土曜日限定の屋外マーケットがある。教会前の広場に、野菜やチーズ、花などを売るローカルベンダーが軒を連ねており、大抵なんでも揃うのと、アムステルダムで唯一のオーガニックマーケットだというので、毎週足を運ぶようにしている。先日、17世紀のアムステルダムの地図を見ていたら、Noordermarktを見つけた。1620年に起源をもつ、400年の歴史を誇るマーケットらしい。
そんなNoordermarktで、先週は魚を丸ごと3匹、買って捌いて食べてみた。シーバス、キス(鱚)、ヘダイ(白鯛)。オランダ人で魚が好きな人には実はまだ会ったことがないのだけれど、アムステルダム近郊で獲れた地元の魚がこのマーケットには多いことを知って、「ローカルに食べる」ことについて、改めて考えさせられた。観察していると、Noordermarktに出店しているのは、オランダ国内の家族・小規模経営の生産者がほとんど。スーパーマーケット以外に食材を買い求められる場所があること、地元の生産者が活躍できる素地があること、ローカルな食材で食卓を彩ることの大切さを、アムステルダムで毎日のように実感している。
by Mariko
🎧 Podcast New Release
【#43】Dive into Asia/アジア的オルタナティブスペースとは?/ゲスト編:小川希さん
👉https://is.gd/BprnLI
今月のテーマは「今、アジアの都市で起きていること」。第3週目となる今回は、ゲストにアートセンター「Ongoing」代表の小川希さんをお招きし、彼の目から見るアジアの今と風景を深ぼった。
【#44】Dive into Asia / アジア企画総まとめ編
👉https://cutt.ly/EzvInju
特集最後の今回は、これまでの振り返りと、なぜ今アジアなのか、そして私たちが新しく始めたアーバニスト(都市を作る人)のためのプラットフォーム「for Cities」についてご紹介している・
👀 Good News of the Week
for Citiesが作る、新たな出会い
最近私たちが始めた、都市体験のデザインスタジオ「for Cities」のプラットフォーム(都市作りの実践者が出会うための人材とアイディアのコミュニティ型データバンク)に少しづつではあるが、面白いアイディアが集まってきた。「Bread beer project」は日本の環境活動家のイニシアチブ530weekによるプロジェクト。これまで渋谷や原宿を中心に「ゼロウェイスト」をコンセプトに掲げ、ゴミを出さない経済循環(サーキュラーエコノミー)」のある暮らしを、草の根的に提案してきた。そんな彼らが、パンの耳からビールを作ったのが今回のプロジェクトで、ミシュラン2つ星のレストラン「L’effervecence」のベーカリー「bricolage bread& Co.」と、長野の野沢温泉村にある「AJB – Anglo Japanese Brewing Company 」とのコラボレーションでもある。オープンサンドを作る際にどうしても出てしまうパンの耳は通常捨てられてしまうが、彼らはそれを使い、見事に美味しいビールを作り上げた。飲めば飲むほどフードロス問題に貢献することになるし、今後の様々なプロジェクトの支援にもなるという。
もう一つは、ベルリン在住のイラストレーターNIPPASHIさんの「THE TOKYO TOILET?」というアイディア。以前ニュースレターでも紹介した、東京の公共トイレを有名建築家やクリエイターなどがデザインした「THE TOKYO TOILET」のプロジェクトにインスピレーションを受けて発想したという。彼は東京とベルリンに住む中で、都市開発の中で消えゆく都市の風景をどのように残していけるか考えたという。渋谷の景色を残すために、いわゆる史跡プレートではなく、トイレにかつての渋谷のデザインをジオラマのように配置し、それがシェアされることで記憶として渋谷を残していく「都市景観保存型トイレ」を、ユーモアと共に彼は提案する。
何より嬉しかったのが、for Citiesのアイディア登録を通じて、自分が本質的に何に興味があるのかが整理された、というコメントをもらったことだ。是非、これを読んでいる都市好きの皆さまも、積極的にアイディアの登録をしてみて欲しい。
アイデア登録について👇
●登録可能なアイデア
「for Cities」に登録が可能なアイデアの条件:
・都市・建築・まちづくりの分野で過去5年以内に行われたインディペンデントなプロジェクトや実践
・個人・団体どちらもエントリー可能
・国籍・年齢・プロジェクト規模は不問
・構想段階ではなく、実際にプロトタイプやアウトプットがあるもの
・写真、動画、プロダクト、書籍、Webサイトなどの形でアーカイブが残せるもの
・実際の都市空間で行われるサイトスペシフィックなもの
・ローカルの文脈で行われつつ、グローバルなレベルでも展開可能性のあるもの
・分野横断や国境横断など、オープンなコラボレーションのための素地があること
・既存のパラダイムに挑戦するボトムアップな活動
●アイデア登録の手順と問合せ先
※アイデアの登録は、英語でのみ可能。
※英語に不安がある方は、ご連絡いただければ可能な限り翻訳・校正のサポートもします。
1. Webサイトより、現在開催中のキャンペーン一覧を確認する
2. 興味のあるキャンペーンの詳細をクリック
3. 「Submit an idea」ボタンを押し、アイデアのタイトルを入力
4. メールアドレス、パスワードを入力しユーザアカウントを作成
5. 編集画面からテキスト、写真、ファイルなどの登録
6. 必須項目の入力が完了後、for Citiesプラットフォーム上にアイデアが公開される
アイデアの投稿方法(動画):https://youtu.be/oWKkidPFJSc
アイデアの投稿方法(スライド資料):https://is.gd/m2JXkl
今週も最後まで読んで頂きありがとうございました。コメントや意見など、お気軽にお寄せください。
Substack上で、読者の方も自由に投稿できるコミュニティスレッドも立ち上げました。こちらもご活用ください👏
読者の皆さんによる自己紹介やPRはこちら:https://goodnews4cities.substack.com/p/pr/comments
最近気になっている、都市に関するテーマの投稿はこちら:
https://goodnews4cities.substack.com/p/9e1/comments